作曲家、福嶋頼秀は作曲・編曲、TVや舞台等の音楽制作、レクチャー、コンサートの企画構成等幅広く活動中

三木稔氏のシアターピース2作品を堪能!

1月15日 横浜みなとみらいホールの小ホールで、『のはらのファンタジー』という公演を聴きました。プログラムは、 三木 稔 氏が作曲したシアターピース2作品。すばらしい歌唱・演奏・演出で、傑作を堪能しました。

合唱曲や器楽曲を上演するのにあたって、語りや簡単な芝居を入れたり、ステージだけでなく客席でも歌唱・演奏する、といったスタイルの作品をシアターピースと言います。生演奏だけの公演に比べ、作品・演奏・演出が効果的に結びつくと、とても面白いエンターテイメントになるわけです。

今回は 榊原 徹 氏が音楽監督・演出をされましたが、氏はオペラやバレエ公演の指揮もたくさん手掛けている方だけあって、たいへん効果的。私自身もシアターピース的な作品を時々書くのですが、とても参考になりました!

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『ベロ出しチョンマ』は千葉県に伝わる悲しい民話をもとにした作品です。バリトンはベテランの境 信博 氏。歌と語りと芝居とを、あれだけ自在に織り交ぜて表現できるのは本当にスゴイ事です。

伴奏は一面の琴のみで、渡辺 正子 さん。〝約30分もの緻密な楽譜をきちんと把握し、物語の感情の起伏をよく表現してるなぁ!〟と感心しました。客席では、聴きながら涙を流している方が何人かいました(・・・私もです)

『のはらうた』は詩人・工藤 直子 さんが野原の草木や虫、小動物などを主人公にして描いた詩に、4重唱・ヴァイオリン・ピアノによるとても楽しい音楽がついた作品。ソプラノの 赤星 啓子 さんのカワイらしくて華やかな歌やセリフ(台本・三木 那名子 氏)をはじめ、歌手やダンサーによるファンタジックな世界に何度もほほえんでしまいました。

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この公演は、みなとみらいホールが主催する“小ホールオペラシリーズ ”という企画で、毎年4公演も開催されているそうです。このホールの響きは、余韻が美しい上に言葉が聴き取りやすいので、シアターピースやミニ・オペラなどにも、とてもふさわしいと思いました。お客さまが楽しめるだけでなく、出演者やスタッフにとってもやりがいのある好企画ですね。

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